コロナワクチン副反応調査レポート5 -高齢者ワクチン副反応の報告-
村山医療センター 医局秘書
アルーナ
医局秘書アルーナの報告
皆さまお疲れ様です。
第1回、第2回は当院先行接種を対象とした新型コロナワクチンの副反応について、第3回はワクチンにより誘導された免疫反応(血液中の抗体産生)について、そして第4回はワクチンにより誘導された抗体産生と、性、年齢、および実際に生じた副反応との関連についてレポート致しました。
さて、今回、ワクチン接種を2回完了した方々から、その副反応についてアンケート形式で聴取させていただいた結果の解析です。当院の小林先生と吉原先生からの報告です。
実際に村山医療センターでワクチンを受けた高齢者における副反応について
性別、年齢差などを解析
整形外科医長 小林喜臣
臨床研究部長 吉原愛雄
村山医療センターでは、65歳以上の高齢者に対する新型コロナワクチン(コミナティ筋注®)が6月中旬より順次開始しております。今回、ワクチン接種を2回完了した方々から、その副反応についてアンケート形式で聴取させて頂きました。
大規模調査の報告1)では、ワクチン副反応は接種2回目の方が発生頻度が高いと言われていますが、実際に村山医療センターでワクチンを受けた高齢者における副反応について性別、年齢差などを解析しましたので、報告いたします。
本アンケート有効回答数:267名(男性135名、女性132名)
平均年齢 73.3歳±6.3歳 (65-75歳:177名、75-84歳:77名、85歳以上:13名)
*接種後副反応について
1回目 副反応 | 2回目 副反応 | |
全体 | 全体 | |
頭痛 | 4.49% | 9.74% |
倦怠感 | 13.11% | 30.34% |
疼痛、腫脹 | 80.15% | 71.54% |
発熱 | 80.15% | 17.98% |
これまでの報告1)同様、全体的には、2回目の副反応の頻度が1回目に比べ有意に多いことがわかります。ただし、当院のアンケート結果では注射を打った場所の痛みや腫れに関しては2回目の方が少ない傾向がありました。
*性別による副反応の違い
1回目 副反応 | 2回目 副反応 | ||||
男性 | 女性 | 男性 | 女性 | ||
頭痛 | 2.96% | 6.06% | 6.67% | 12.88% | |
倦怠感 | 8.89% | 17.42% | 27.41% | 33.33% | |
疼痛、腫脹 | 80.00% | 80.30% | 66.67% | 76.52% | |
発熱 | 0.74% | 0.00% | 11.85% | 24.24% |
やはりこれまでの報告1)同様、頭痛、倦怠感、疼痛、発熱などの副反応は男性に比べ女性に高い確率で、発生することがわかりました。
*年齢別による副反応の違い
まとめ
*村山医療センターでワクチンを受けた高齢者267名にアンケート形式で副反応調査を行った。
*頭痛、倦怠感、発熱といった副反応は2回目のワクチン接種後の方が1回目接種後に比べると高い出現率であった。一方、注射した部位の痛みや腫れに関しては1回目の接種後に低い出現率であった。
*性差に関しては、ほぼ全ての副反応において女性の方が男性より有意に高い出現率であった。
*加齢とともに副反応の出現率が低下することがわかった。
参考:
1)新型コロナワクチンの投与開始初期の重点的調査(コホート調査)の中間報告(5) (https://www.mhlw.go.jp/content/10601000/000775324.pdf)